「疲労回復にはビタミンB群!」その仕組みをTCAサイクルで図解

オフラボでは現代人の「ストレス性疲労」に注目し、その改善の手立てや知識を紹介しています。今回は、疲労回復に欠かせない栄養素、ビタミンB群お話。なぜ“疲労回復の立役者”と言われるのでしょうか? 日本のビタミン研究のパイオニア、エーザイ株式会社に取材しました。

■過労や人間関係による、ストレス性疲労者は日本人の4割も

オフラボが全国14万人に行っている「ココロの体力測定2018」調査では、成人男女の約4割が、ストレスを受けることによる自律神経乱れと慢性的な疲労感を感じる「ストレス性疲労」を抱えているという結果に。運動後の爽快な疲れではなく、過労や複雑な人間関係など、現代人が逃れがたい過度なストレスによって疲れてしまっているとは何とも残念な話です。
回復を助ける手立てには、何と言ってもまずは睡眠が挙げられますが、適正な栄養バランスも欠かせず、中でも「ビタミンB群」が重要であるという話は聞いたことがあるのではないでしょうか。でも、それって一体どうして?

■ビタミンB群はエネルギーを生み出す代謝サイクルの立役者

「寝ても疲れがとれない」「常にだるい」そんな疲労状態の体の中で起こっているのは、“エネルギー不足”の可能性が。人体を維持するために、人は食事(あるいはサプリメントなど)で日々多くの栄養素を体内に補給します。食事で摂った脂質・糖質・タンパク質は体内で分解されて活動に必要なエネルギーに変換されますが、そのエネルギーの元を生み出す回路が「TCAサイクル(tricarboxylic acid cycle)」。「クエン酸回路」と言った方が、馴染みがある方もいるかもしれませんね。

TCAサイクル

多くの栄養素の中でも、まさにエネルギーを“生み出す”ために欠かせない糖質・脂質・タンパク質は「3大栄養素」と呼ばれます。これらの分解やスムーズな代謝に必要なのが酵素であり、ビタミンB群は補酵素としてその役割を助ける重要な成分。エネルギーそのものになるわけではないけれど、エネルギーを生み出すためにはなくてはならない、まさに影の立役者がビタミンB群なのです。

ビタミンB群の種類

*「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、十分な科学的根拠が得られず、推奨量が設定できない場合「目安量」が設定されます。

■ビタミンB群、きちんと摂れてる?

以前のオフラボの記事「明日からランチのメニュー選びが変わるかも!知っておきたいビタミンの知識」でご紹介した通り、ビタミンB群は水溶性で、余分なものは尿として排出されるので欠乏しやすい成分です。さらに、ストレスを受けることによって消費されてしまうことも研究で分かっています。
いずれにせよ、ビタミンB群は現代人が不足していると言われる栄養素。より意識して、毎日の必要量を摂ることを心がけたいものです。

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取材・執筆:オフラボSTAFF 取材・執筆協力:エーザイ

エーザイ

エーザイ株式会社
1941年設立。患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc )」を企業理念とする。医療用医薬品の創出・販売が中心のグローバルな製薬会社だが、生活者の皆様のニーズにお応えする「チョコラBB」シリーズなどを中心としたセルフケア製品も幅広く展開している。

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