全身に分布している触覚センサー(触覚受容器)。神経線維の先端に受容器を持ち、皮膚からの深さや順応性によって、速度などを検出する「マイスナー小体」、刺激の強度などを検出する「メルケル盤」、皮膚の引っ張りなどを検出する「ルフィニ終末」、加速度などを検出する「パチニ小体」の4つが存在しています。ところが最近、受容器をもたず、神経線維の末端がむき出しにも関わらず刺激を受容している「C触覚線維(しーしょっかくせんい)」が発見されました。
C触覚線維が他の4つの触覚受容器と異なるのは“感情”に関わるという点です[1]。触れたことで「気持ちいい」「気持ち悪い」といった感情を生み出し、すなわち「触れ(られ)ているのは自分だ」という自己意識にも関わっています。
第二の特徴は、C触覚線維は毛の振動による感覚を脳に伝えるため、皮膚の無毛部にはない点です[2]。人間の身体の中で手のひらと足の裏は無毛部です。ですからこれらの部位で触れても、あまり気持ちよくは感じません。
皮膚の構造
【参考文献】
[1] Olausson, H. et al., (2002) Unmyelinated tactile afferents signal touch and project to insular cortex. Nature Neuroscience,5, 900 – 904.
[2] Olausson, H. et al., (2008) Functional role of unmyelinated tactile afferents in human hairy skin: sympathetic response and perceptual localization. Experimental Brain Research, 184,135–140.
監修:オフラボSTAFF