感受性で操る“女の武器”。喜怒哀楽の涙で人生をもっとハッピーに!

呼吸法や自然との触れ合い、スマホ断ちするデジタル断食など、いざという時のストレスオフの方法にはさまざまな手立てがありますが、今オフラボが注目しているのが涙のストレスオフ効果。東邦大学名誉教授でオフラボ顧問の有田秀穂先生と共同でさまざまな調査・研究を行っており、今回はその中から、「女性と涙」に関するちょっと興味深い内容をご紹介します。

■女性はやっぱり泣き上手?「月に1度も泣かない」は男性の約半分

「うちの娘まだ3歳なのに、泣きマネしてパパを翻弄してるのよ」女の子を持つママから、そんな話を聞くことがあります。大人になってからは、失恋をしても思いっきり泣いて、翌日にはケロッとリセットしているのはやっぱり女性。さまざまな意味で、どうやら生まれた時から“涙は女の武器”のようですが……。自在に操れる感受性があるからこそ(?)女性におすすめなのが、涙を流すストレスオフです。

オフラボが全国の男女14万人に対して行っている「ココロの体力測定」調査が、今年も3月に行われました。涙のストレスオフ効果に注目した今年は、有田先生がその有効性を示唆する、喜怒哀楽など心を揺さぶられた時に流れる「情動の涙」に関する項目を多角的に用意。集計結果からまず見えてきたのは、男性と比べ、女性はよく泣いているということです。

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情動の涙の回数平均/月

感動的な映画を観た時、うれしくて感極まった時など。この記事を読んでいるあなたは、この1か月に何回の情動の涙を流したでしょうか。「月にどれくらい泣いているか」という質問に対し、女性は7割以上が「月平均2回以上」泣いており、「月平均4回以上」と、週1回以上の割合で泣いているツワモノも約2割も。男性に目を移すと「まったく泣かない」という人が52.5%で半数以上を占めることを考えると、やはり女性は泣き上手なのかもしれません。

■女性が泣く理由の第2位は「笑いすぎた時」!

次に、「泣く理由」を見てみましょう。第1位は「家族、恋人、学友など親しい人との別れ」で48.8%、卒業式のシーンなども入れると、誰でも一度は経験があるかもしれませんね。第3位は「ペットとの死別」43.7%で同様に悲しみの涙があがりましたが、第1位と1.4ポイント差で第2位だったのが「笑いすぎた時」です。悔しくて泣き、怒りを噛みしめて泣くことがあっても、涙が出るくらい思いっきり笑って人生を楽しんだが勝ち! そんな、今を生きる前向きな女性像が見えてきます。

情動の涙を流す理由(複数回答)

■泣いた後は「スッキリした」とストレスオフな気分に

悲しくて、悔しくて、あるいは笑いすぎて泣いた後には、「気分にどんな変化が起こるか」を聞きました。8項目に関して複数回答でたずねたところ、「スッキリした」59.9%、「心の緊張が取れた」41.7%、「元気になった」31.6%と、上位3項目はすべてポジティブなもの。「疲れた」24.8%、「眠い」24.8%が続き、「お腹が空いた」は17.5%。これは、心を開放して思いっきり泣けているからかもしれませんね。
泣くことでさらに悲しくなったり、落ち込んだりしてしまう人は意外と少ないようで、泣くことがストレスオフに役立っていることがわかります。

情動の涙の後の気分変化(複数回答)

■20代女子はご注意を!ウソ泣き意識に男女で温度差

最後に、“涙は女の武器”と言えば、というお話。いわゆる「ウソ泣き」についてです。損得勘定で計算をして泣いても情動の涙は流れず、残念ながらストレスオフにはなりません。そればかりか、かえって交感神経を興奮させてしまう可能性もあります。

女性のウソ泣きについて

今回の調査結果を見ても、「女性のウソ泣き」には男性も女性も厳しい意見! 共に「したたか」「ずるい」「許せない」など批判的で、「かわいい」はわずか10%未満です。さらに、「かわいい」回答の内訳を年代別で見てみました。30~50代女性は同世代男性の約半分の1桁台と、女性は同性のウソ泣きにとりわけ辛辣なことがわかります。

さて、ここで男性の年代別の結果を見てみましょう。20代男性で「女性のウソ泣き」を「かわいい」と思っている人は、なんとゼロ……。20代女性はウソ泣き支持派が高い傾向にあり、若者層では男女でずいぶん温度差があるようです。

■「涙は女の武器」をポジティブに捉えなおしてみよう

今回わかったことは、泣くことが上手な女性には、涙はストレスオフにもってこいであること。そして彼女たちの泣き方は、時に悔しい涙を流しながらも、でもそれ以上に涙を流して大笑い! 調査では、低ストレス女性は月平均2.4回泣いているという傾向も出ています。ポジティブでパワフルな現代の女性たちにとって、やっぱり“涙は女の武器”。「最近泣いてないな」そんな人は、まずは部屋で一人、心の緊張をほどいて映画や本の世界に浸ってみませんか?

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[脚注]
「ココロの体力測定2018」SCR調査(インターネット)2018年3月7日~3月17日 対象:全国、20~69歳、14万人(男女各7万人) 項目:15問 分析データ:厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して、点数化 集計データ:県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用、本調査(インターネット)2018年4月7日~20日 サンプル数:1857人、本レポート活用対象(本調査より)対象:男性:690人(20代:19人 30代:100人 40代:241人 50代:255人 60代:75人)女性:1167人(20代:125人 30代:393人 40代:423人 50代:171人 60代:55人)

取材・執筆:オフラボSTAFF 監修:有田秀穂

有田秀穂

東邦大学名誉教授・医学博士
東邦大学医学部総合生理学で、坐禅とセロトニン神経・前頭前野について研究。各界から注目を集めるセロトニン研究の第一人者。メンタルヘルスケアをマネジメントする「セロトニンDojo」代表。オフラボ顧問。著書『脳からストレスをスッキリ消す事典』(PHPビジュアル実用BOOKS)他多数。

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