定年後60歳以上の“居場所難民”は高ストレス。「居場所」数をストレスレベルで調査

男性は“1か所”女性は“3か所”以上が必要

2018年もいよいよ本格始動ですが、年末年始は家族や友人たちとリラックスした時間を過ごし、自分が 心地よくいられる場所のありがたさを改めて感じた方も多いのではないでしょうか。オフラボでは“休みを取る”で終わらずその内容を重視した「休み方」や、親しい人とのおしゃべり・触れ合いを大切にする「グルーミング」と並び、「居場所」がストレスオフに重要だと考えています。そこで今回は、そんな自分の存在を認識できる「居場所」についての調査をまとめたところ、年代で大きく異なることがわかりました。

男女・ストレスレベル別 居場所数

■ 居心地のいい「居場所」の数は、一般的な定年の60歳を境に変化

20~69歳の全国14万人(男女各7万人)に対して行った「ココロの体力測定2017」で、“居心地のいい居場所”の有無をききました。20~59歳と、一般的に定年を迎える60歳からで結果を比較したところ、いずれも高ストレス者は「居場所」が少なく、59歳以下の女性を除き、1か所以下という結果に。
低ストレス者は男女で見ると女性の方が「居場所」が多く約3か所、男性は1か所以上確保できていることがわかりました。年代別で見ると、60歳を境に居場所の確保が難しくなる“居場所難民”が多くなる傾向にあり、定年後の夫も、一緒に暮らす妻も過ごし方の課題の一つと言えそうです。

■ 働き盛りの女性は“仕事関連”、60歳以上の男性は退職後の居場所作りが重要に

低ストレス者が「居心地がいい居場所」を具体的にみてみました。年代・性別を問わず共通していたのは「大切な家族」「自宅・自室」といった家庭内。女性の共通項目は「何でも話せる長年の友人」、男性は「自然」「やりがいのある仕事」でした。
次にその他の主だった特徴をみると、20~59歳の女性は「仕事関連」が上位となり、近年の女性の社会進出により、職場環境の快適さが低ストレスとつながっていることがわかります。またこの年代で男女とも挙げている「価値観のあうパートナー」は、世代間の違いか60~69歳ではみられません。
60~69歳では、女性は「近所づきあい」「趣味の場」と身近なコミュニティを挙げていますが、男性は「仕事関連」が二つ入っており、退職後に切り替えができるかどうかが重要となりそうです。
なお、「自然」との触れ合いは20~59歳の女性以外すべてのカテゴリで上位でしたが、とくに60~69歳では男女とも第1位に。高齢化社会のストレスオフのポイントと言えるのではないでしょうか。

男女・年代別 低ストレス者の居場所の変化

【調査概要】

タイトル:ココロの体力測定2017
方法:インターネット調査
調査期間:SCR調査 2017年2~3月

(SCR調査)
対象:全国、20~69歳、14万人(男女各7万人)
項目:15問
分析データについて:厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して、点数化
集計データについて:集計したデータを、県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用

(本調査)
期間:2017年4月
サンプル数:20~69歳、女性1800人、男性400人

今回抽出対象者|

(2017年本調査より)
女性 高ストレス者522人、低ストレス者370人
男性 高ストレス者206人、低ストレス者206人

※居場所の算出方法
居心地が良いと感じる場所・ことを質問し、自由回答(5つまで)を集計

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