女性78.2% 男性59.4%が使用するLINE1日の送信「20回以上」で高ストレス傾向に

就寝時刻 2時台以降が2割“睡眠”にも影響の可能性が

誰かと連絡を取りたければ、「会う」か「電話」の2択だったのも今は昔。インターネットやスマホの登場で離れた人とのコミュニケーションはさらに気軽になり、デジタルネイティブな10代・20代は「スマホなしで待ち合わせができてたなんて信じられない!」世代です。
今回はオフラボが全国の男女14万人(各7万人)に行っている「ココロの体力測定」からまとめた、そんなデジタルコミュニケーションについての調査結果。主に利用しているSNSの種類で、ストレスレベルに違いがあるようです。

■ 利用シーンの違いか? 主要デジタルコミュニケーションツールに男女で差

まず「ココロの体力測定」の調査対象である20~69歳の男女に、主に利用しているデジタルコミュニケーションツールを複数回答で聞きました。その結果は、女性は「LINE」78.2%、男性は「PCメール」79.1%。共に8割近くが「主に利用している」と答えましたが、利用シーンの違いか、「グループ会話」「1対1会話」と心地よいと感じるコミュニケーション方法の違いか、異なるツールが第1位となりました。
第2位以下では、女性は、仕事での利用も推測される「PCメール」49.4%を除き、「Twitter」「Instagram」「Facebook」は全て2割以下。男性は「LINE」が59.4%と高い割合となり、続いて「Facebook」「Twitter」。写真メインの「Instagram」は12.5%と、最も低い割合でした。

男女別 主要デジタルコミュニケーションツール

■ 1日のLINE送信「21回以上」で高ストレス者傾向が深刻化

女性の主要ツール第1位だった「LINE」。1日の送信頻度がストレスに関係するのかを、厚生労働省のストレスチェック基準で算出した高ストレス者(77点以上)、低ストレス者(39点以下)で比較しました。
まず低ストレス女性は、「使っていない」26.1%「1~5回」48.2%が7割を占める結果に。高ストレス女性は44.4%と4割強が「1~5回」と回答しましたが、6回以上はすべて高ストレス女性が和周り、「21回以上」では、低ストレス女性との比較で約3倍の開きがありました。

ストレスレベル別 女性の1日のLINE送信頻度

■ ストレスオフに重要な睡眠。LINE使用で就寝時刻が後ろ倒しに?

睡眠の質、そして時間はストレスオフに大きな影響を及ぼしますが、SNSに興じているとついつい眠りがおろそかになってしまうものです。そこで、1日の送信頻度で高ストレス者傾向だった「21回以上」と、低ストレス傾向だった「5回以下」で、平日の就寝時刻を比較しました。
「23時台」までは「LINE送信5回以下」が上回りますが、「0時台」以降は「LINE送信21回以上」の傾向に。「2時台」も12.3%存在し、「LINE送信5回以下」の実に5倍、LINE使用により就寝時刻が遅くなり、睡眠時間が削られてしまっている可能性があります。

LINE送信頻度別 平日の就寝時刻

■ 「Instagram」「Twitter」利用がストレスレベルに影響か

最後に、ツールの種類別でストレスレベル割合を見てみました。女性全体で第1位だった「LINE」、「PCメール」「Facebook」ではストレスレベルに大きな差は見られませんでしたが、「Instagram」は高ストレス女性23.6%、低ストレス女性13.8%、「Twitter」は高ストレス女性28.0%、低ストレス女性10.8%と約2倍~3倍の開きが。理由には、共に不特定多数の人との関わりやオンラインだからこそ起こる親しい人との不調和、スピード感などが考えられます。

ストレスレベル別 女性の主要デジタルコミュニケーションツール

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■ 一般社団法人日本ナンバーワントレーナー協会 代表理事・中澤仁美氏コメント

表情や声の抑揚でさまざまな感情を読み取れる会話と違い、どんなにスタンプを駆使しても、 LINEの文章では感情のディテールまでは表現できません。そのため、お互いの勘違いから人間関係の不和までになってしまうことも。日常的なコミュニケーションとして定着している10代の学生たちと話をすると、LINEでの友人関係が悩みの一つになっています。「移動中だったのでLINEを返信しなかったら『無視された』と陰口を言われ、次の日から部活に行きにくくなってやめてしまった」「昼夜問わずLINEがくるので、スマホを手放せず寝不足になる」など、社会問題にまで発展しそうな深刻な悩みも。便利なツールではありますが、依存し過ぎることにより、気がかりが増えて不安が先行してしまっている傾向にあるのではないでしょ うか。

一般社団法人日本ナンバーワントレーナー協会 代表理事・中澤仁美

【調査概要】

タイトル:ココロの体力測定2018
方法:インターネット調査
調査期間:SCR調査 2018年3月7日~3月17日

(SCR調査)
対象:全国、20~69歳、14万人(男女各7万人)
項目:15問
分析データについて:厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して、点数化
集計データについて:集計したデータを、県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用

(本調査)
期間:2018年4月7日~20日
サンプル数:1800人

今回抽出対象者|

(本調査より)

男性:690人
女性:1167人(高ストレス者:450人、低ストレス者:556人)(LINE21回以上:65人、LINE5回以上:587人)

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