今や病は「治す」より「防ぐ」。メディカルハーブで自間ペースを整えよう

仕事に、家事に、日々の暮らしに追われがちな現代。自分自身に意識を傾けるセルフケアタイムは、ストレスオフの有効な手立ての一つです。オフラボでは、自分にとって心地いい時間・空間を「自間」とし、毎日の自間ペース作りのアイデアや方法をご紹介していますが、今回取り上げるのは、メディカルハーブティーの習慣。ティータイムが自間の確保になるだけでなく、”メディカル”と名が付くだけあり、心身の健康にいい影響がたくさんあるようなのです。

■その歴史は古代ギリシャから

カモミール、ローズヒップ、ミントなど。普段、嗜好品として楽しんでいらっしゃる方はあまり意識したことはないかもしれませんが、これら人気のハーブティーも、実はすべて「メディカルハーブティー」。「ハーブ」は人の暮らしに役立つ香りのある植物の総称ですが、ハーブに含まれている成分を健康や美容のために役立てる時、あるいは薬用植物そのものを「メディカルハーブ」と呼びます。

日本でもドクダミや月見草などの薬草が古くから人々の健康を助けてきましたが、西洋のメディカルハーブの歴史は、なんと紀元前の古代ギリシャにまでさかのぼります。”医学の祖”として知られるヒポクラテスが、「体液病理説」の中で400種類ものハーブの薬効や処方についてまとめているのです。以降現代に至るまで、さまざまな国や地域で、多くの学者たちによってメディカルハーブの研究は深化してきました。近年に入ると、私たちにとって身近な西洋医学が大きく発展しますが、使用されている薬は、実は植物由来のものが多数。先人たちのハーブ研究は、礎となって今も息づいているのです。

■病を未然に防ぐ。メディカルハーブは健康に近づく手立て

近年、現代病とも言える「未病」と呼ばれる不調を抱える人が増えています。病気というほどではないけれど、健康とも言えない状態。例えば健康診断ではどこも悪くはないのに、なんとなく調子が悪いというような……ストレスも軽いものは「未病」と言えるでしょう。そんな病気になる手前での心掛けとして、気軽に暮らしに取り入れられるメディカルハーブに時新たに注目が集まっているのです。

元来、ヒトの体には自らで治ろうとする力「自然治癒力」が備わっており、その力を利用した治療を「自然療法(ナチュロパシー)」と言います。メディカルハーブもこの分野の一つであり、大きな特徴として「多様な成分を含んでいる」ことが挙げられます。メディカルハーブティーは一種類の茶葉でもさまざまな成分を摂れ、その成分同士が相乗効果を起こすことで、心身に対し総合的な作用が。またローズヒップ&ハイビスカス、カモミール&ジンジャーなど茶葉をブレンドすることで、さらに複合的に、ホリスティック(全体的)に働きかける力を得るのです。

■朝晩2杯を習慣に。自分自身を見つめる時間を

日本でハーブティーが本格的に知られるようになったのは、ここ20年ほどのこと。暮らしに身近になった今、気軽なティーバッグも定番になりましたが、紅茶や中国茶のようにお湯に数回バッグを浸すだけ、という飲み方をしている人も多いのでは? メディカルハーブティーが持つ薬効成分を引き出すには、しっかり時間をかけて抽出する必要があります。とは言っても、約3~5分。これだけで、味も香りも、そして効果もぐんと変わります。

まずは夜のくつろぎの時間から、できれば朝出かける前にも。メディカルハーブティーを抽出して、楽しむ時間をストレスオフするセルフケアの習慣に。ハーブティーはノンカフェインなので、照明を落とし、静かに目を閉じて一日を振り返る眠りの儀式にもおすすめです。心地よくやる気を高めたい朝は、抽出の待ち時間に軽くストレッチしたり、スキンケアしてはいかがでしょう。シーンや効果で選びたいメディカルハーブティーの種類については、またあらためてご紹介します。

取材・執筆:オフラボSTAFF 監修:エンハーブ

エンハーブ

株式会社コネクト
1997年に誕生した、日本で初めての茶葉量り売りハーブ専門店が「エンハーブ」。悩みや体質、生活習慣のカウンセリングをベースにしたオーダーメイドのブレンドティーをはじめ、「ストレスでキリキリしちゃう時に」「元気充電!したい時に」といったユニークなネーミングのオリジナルブレンドが人気。日本メディカルハーブ協会会員。

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