鍵は「リズム」にあり。噛むこと意識でおいしく食べてストレスオフ

ストレスの予防も対策も、一日にして成らず。オフラボでは、日常生活の中で気軽に、継続的にストレスオフできる方法をご紹介しています。今回は、朝昼晩と繰り返している“あの行動”。ちょっと意識を変えるだけでストレスケアに役立つというのです。

■脳内のさまざまな場所に作用するストレスオフ物質・セロトニン

朝から晩まで、多くのストレスに囲まれて暮らしている現代人。複雑な人間関係、ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車、多忙な仕事や家事などさまざまな要因が挙げられますが、精神的なストレスも、身体的なストレスも、どちらも“脳”が感じているものであることが、近年の研究によりわかってきました。そのメカニズムに大きく関わっているのが、通称・ストレスオフ物質のセロトニンです。
セロトニンは脳内で分泌される神経伝達物質の一つですが、他の多くの神経伝達物質と大きく異なる点があります。セロトニン神経を介して脳全体に広がり、さまざまな場所に作用するという点です。以下が代表的な働きです。

▼大脳皮質・・・朝目覚めた時、すっきりと爽快感のある最適な覚醒状態をつくる。
▼大脳辺縁系・・・イライラなどネガティブな気分を解消し、心のバランスを保つ。
▼自律神経・・・交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにし、バランスを整える

セロトニンの働き

 

オフラボ読者の方ならお気づきでしょう。これらの働きが弱まっていることによる「朝すっきり起きられない」「心が不安定」「自律神経機能乱れ」は、まさにストレス不調の状態。受けてしまったストレスをオフするためにも、またストレスに備えるためにも、セロトニンがしっかり分泌されることが重要なのです。

■リズム運動でセロトニン分泌を促す

では、どうすればセロトニン分泌を促せるのでしょうか。いろいろな方法がありますが、その中でももっとも簡単な一つが「噛むこと」です。一定のテンポで噛むことを繰り返す咀嚼は、セロトニン分泌を促すリズム運動になります。毎日の3度の食事が、実は立派な“セロトニン活動”になるわけですが、ポイントは「食べる」ではなく「噛む」こと。特に現代ではスマホなどの影響で“ながら”食べをしている人が多く、ただでさえも意識せずに行っている咀嚼があいまいに。セロトニン分泌に重要なのは、リズムです。漫然とではなく、しっかりと「噛む」ことを意識しながら食べること、噛み応えのある食材を食事に取り入れることで、効果的にセロトニン分泌を促すことができます。

■休憩時間のガム噛みもおすすめ

毎日の食事習慣による噛むこと意識でストレスに備えるだけでなく、仕事でいやなことがあってイラっとしたり、あるいは勉強の集中力が落ちてきたり、そんな時にも「噛むこと」のセロトニン分泌を利用しましょう。おすすめは、休憩時間のガム噛みです。グミよりも、チョコレートよりもガムがおすすめなのは、なんといっても長く噛み続けられる点。ガム噛みの間はスマホを見るのではなく目を閉じて視覚を遮断すると、さらに脳の休ませる効果が期待できますよ。

執筆・監修:オフラボSTAFF

オフラボSTAFF

オフラボ(ストレスオフラボ)は、“ココロの体力”が低下している日本人の心の状態を可視化し、脳科学者などの専門家や他社企業と共同で、エビデンスに基づいてストレスと体や肌を調査・研究するプロジェクトです。ストレスオフに役立つさまざまな情報をウェブサイトで発信しています。

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