企業取材

女性たちに寄り添う“かかりつけ”。エンハーブが伝えるメディカルハーブの力

オフラボでは、ストレスオフに貢献している企業や団体をご紹介しています。今回は、株式会社コネクトが運営するハーブ専門店・エンハーブ。元来ヒトが備えている自己治癒力にアプローチする、自然療法の一つ「メディカルハーブ」にこだわり、その力で現代女性たちのさまざまな体調の悩みに寄り添っています。

■日本で初めての量り売りハーブ専門店

ヨーロッパが発祥のハーブティーですが、今では日本でも身近なものに。自宅で、あるいはカフェで、とくに女性は好んで飲んでいる人も多いのではないでしょうか。現在国内に36店舗を構えるエンハーブは、その黎明期である1997年に誕生(旧・ボタニカルズ)。茶葉を量り売りする日本で初めてのハーブ専門店として注目を集めました。

女性ならではのイライラ、季節の変わり目の不調、そして現代病であるストレスなど、この20年間で、店頭を訪れる人の悩みはますます複雑化しています。その緩和を目指し、エンハーブでは、ヒトが元来備えている自己治癒力を引き出す「メディカルハーブ」を追求。続けることで感じられる良い兆しの実感、そしてハイレベルな研修を受けたスタッフの高い専門性への信頼で、店頭を訪れる客の約5割をリピーターが占めます。

■メディカルハーブの醍醐味はブレンドにあり

カモミール、レモングラス、ローズヒップ、エキナセアなど。よく名の知られたものから珍しいものまで、メディカルハーブにはさまざまな種類がありますが、メディカルハーブティーは、実はブレンドが醍醐味であることをご存知ですか? 例えば、カモミール&パッションフラワーは、カモミールに含まれるフラボノイドの鎮静作用と、パッションフラワーに含まれるアルカノイドの精神安定作用のダブル作用が安眠にうってつけ。美肌を作るブレンドティーでおなじみのハイビスカス&ローズヒップは、ハイビスカスに含まれるクエン酸が、ローズヒップに含まれるビタミンCの利用効率を高めます。

ハーブティー体験者のあるアンケートでは、その味を「おいしくない」と感じている人が多くいたとか。正しい淹れ方(抽出の仕方)をしていない可能性が大ですが、ハーブ=薬草ですから、単体では飲みにくいものが多いのも理由の一つ。茶葉をブレンドすることで飲みやすく、そしておいしく飲めるようにもなります。

前述したように、エンハーブは量り売りが特徴のハーブ専門店です。日本メディカルハーブ協会認定の資格を持ったブレンダーが各店におり、訪れる人ごとに少しずつ違う悩みや症状、体質に応じて70種類以上の茶葉からブレンド。言うなれば、“かかりつけ”感覚で付き合うことができるのです。

■ハーブティーの効果を科学的に解明。大学や研究機関と共同研究

近年メディカルハーブが身近になるにつれ、その効果について科学的な解明が各所で進められています。エンハーブでも、金沢大学大学院と共同研究した「ブレンドティーが体質に及ぼす影響」の研究成果を、2014年11月日本補完代替医療学会で発表しました[1]。

被験者は、20~50代の女性18名です。中医学の「体質9分類理論」に基づいた体質を調べる全60項目の体質調査表(自己評価)を使い、ハーブティー飲用前後のスコアを比較。18名の被験者の内「ストレスでキリキリしちゃう時に」ブレンドを飲用した6名のグループで、熱や水分のこもりやすい「湿熱質(しつねつしつ)」と、血液の流れが悪くなりがちな「血瘀質(けつおしつ)」の体質スコアに顕著な改善兆候が見られました。

*エンハーブのブレンドハーブティーを、1日2杯、11日間摂取。ハーブティー飲用前の直近1ヶ月間の体調と、11日間飲用を続けた最終日の体調、それぞれのタイミングで全60項目の体質質問表を記入。

ハーブティー飲用前後の体質の変化(抜粋)

出典:「ハーブティー摂取の体質に及ぼす影響」株式会社コネクト

2015年には、ハーブに関する調査・研究をさらに広くわかりやすく伝えるため、研究チーム「ハーブのはたらき研究プロジェクト」を発足。同年、ブレンドティー「ストレスでキリキリしちゃう時に」の癒やし効果について、 株式会社ANBAS(大阪大学名誉教授・永井克也)と共同研究し、緊張時に働く交感神経を同ハーブティーが抑制することを確認しました。現在も、睡眠とハーブ、女性ホルモンとハーブなど、さまざまなテーマで研究を進めています。

■「ココロのバランス」の測定で、店頭をストレスの気づきの場に

ストレスやメンタル状態を“見える化”するソリューションを提供しているWINフロンティア株式会社の協力の元、2017年5月より、エンハーブの店頭では「ココロのバランス」測定を行っています。心拍を計測する機器を指に装着して、約1分間。“ココロの柔軟性”と“ストレス・リラックス度”の二つの指標から、理想ゾーンを中心に「高揚している」「気が緩んでいる」「気が張っている」「落ち込んでいる」のどの領域に今の心の状態があるのかを分類します。測定希望者は女性が8割で、30~40代のほとんどは「気が張っている」そう。

エンハーブの顧客には、時間が不規則になりがちな看護師・介護士といったシフトワーカーも多数。がんばっている女性たちが定期的に店頭を訪れることで、自らの内面を気にかけるきっかけになればと始めたのが「ココロのバランス」チェックですが、自宅でハーブを抽出する時間くらいはゆっくりしてもらいたいとフェイスマスクを作るなど、“自分に戻る時間”作りに貢献する商品開発やサービス提供をおこなっています。今後は、やはり女性のペース乱れを引き起こす女性ホルモンとハーブについての情報をさらに積極的に発信をしていく予定とのこと。オフラボでも取り上げていきます。

参考:[1]2017年4月日本補完代替医療学会発表「ハーブティー摂取の体質に及ぼす影響」藤澤 佳直*、許 鳳浩**、吉川 由紀子*、石井 佑果*、鈴木 信孝**(*株式会社 コネクト **金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 R&D 補完代替医療学)

取材・執筆:オフラボ 監修:エンハーブ