夏休みともなれば、おじいちゃんおばあちゃんから子どもまで、公園に集まってラジオ体操していた光景。近頃ではめっきり少なくなりました。でも長~い2カ月間、子どもたちの生活リズムをキープするためには、規則正しく体を動かすこと、させたいですよね。そこで今回は、ダイエットトレーナーでメンタルコーチの小山圭介さんに、お家の中で楽しく&簡単にできる体操3つをおしえてもらいました。
■暑さがピークになる前の午前中の体操で、“やる気”物質、セロトニンを活性化
幼稚園や小学校のない夏休み、アイスを食べながらTVをみたり、ゲームに熱中し過ぎたりと、子どもたちはダラダラ過ごしてしまいがちに。日射病や熱射病を考えると、外に遊びに出すのも躊躇してしまうし……。そんなお母さんたちが、目くじらを立てなくても子どもが進んでやりたくなるような体操をご紹介します。朝はセロトニンのはたらきが活発になる、一日のやる気に関わる時間。気温が上がりはじめる前の午前中、「起きたらコレ!」を習慣化しましょう。
■雲つかみピョンピョン体操
「ヤッター!」スポーツ観戦や合格発表などで見かけるシーン、みんなどんなポーズをとっているでしょうか。手を上げて、ぴょんぴょん飛び跳ねている姿が思い浮かびませんか? 人が喜んでいる時の姿勢、この「ヤッター!」のポーズには、実はすごい力があります。専門用語でホッピング効果と言いますが、繰り返しのジャンプは全身の筋肉を使うことができ、しかも一番筋量のある脚の筋肉を主に使います。
「ヤッター!」あるいは「ワー!」など声を出してやるのもポイントです。発声するときは、声帯、呼吸筋、横隔膜、内臓の筋肉と、実はたくさんの筋肉を使っているからです。思いっきり高く飛ぶ必要はありません。腕を上げて、その場でピョンピョン小さく飛び跳ねるのを20~30秒程度でOKです。
■芋虫ゴロゴロ体操
頭上で手のひらを合わせて、左右に2~3回ゴロゴロ約3分。単純なようですが、実はこれ、体幹トレーニングにもってこいの簡単体操です。手や足の筋肉を使わず、腹筋・背筋で体を回転させるのはけっこうな運動量で、大人でもできない人がいるほど。とくに子どもの体幹は、鍛えなければなかなか作れません。
体幹の大切さをひとつ挙げるならば……運動会やスポーツテストのある日に腹巻をして走らせると、していないときよりもいい結果がでます。これは鍛えずして、腹巻で腹圧を高めることで体幹をサポートしているから。でも本来はその場限りではなく、準備の段階で体幹を鍛えてあげるようにしたいですよね。ぜひ練習の時に取り入れてみてください。
■やどかりハイハイ体操
廊下などを使って、よーいドン! 背筋(背中)、大胸筋(胸)、大臀筋(おしり)、大腿四頭筋(脚)のビッグ4と呼ばれる筋肉全部を使う最強の体操がハイハイ体操です。人間の動きは「前後」「左右」「回転」の3パターンに分類されますが、大人になるにつれ、動きのほとんどは「前後」と「回転」の複合になります。ハイハイは「左右」の動きで、先ほどもお話したように多くの筋肉を使います。赤ちゃんのハイハイ期も長い方がいいという説があるのはこのため。日本のバトミントンのナショナルチームがトレーニングに取り入れて、世界ランキングが上がったことでも話題になりました。6畳の部屋3往復程度を目安にやらせてみましょう。小学校低学年くらいまでならば、寝転がったお父さんお母さんの背中の上をハイハイで渡らせてスキンシップすれば、子どもの運動&お父さんお母さんのマッサージにもなって一石二鳥ですよ。
執筆・監修:小山圭介