日本古来のパワーフード「おみそ汁」が夏のストレスオフのお助け役に

夏バテ・食欲不振・胃腸不調。食欲がなくて、家族がいないとお昼はパス、夕食の買い物をしにスーパーに行っても、いまいち気分があがらない……そんな季節がやってきました。でも食べずに冷たい飲み物だけを大量に摂っていると、不調のスパイラルから抜け出ることができず、夏が終わっても調子が出ないままなんてことになりかねません。そこで管理栄養士の柏原ゆきよ先生に、夏バテに負けない食事についてうかがいました。

■夏の健康の最大の敵は、胃腸の冷え

今年の夏は記録的な猛暑。ニュースでも熱中症の注意喚起がされているため、「水を飲まなくちゃ!」という意識の方は多いと思います。汗で失われていく水分を補うことはもちろん大切ですが、気をつけたいことがあります。それは、冷たいドリンクを飲み過ぎないこと。わかっていても、暑さに負けてつい手が伸びてしまいがちですが、内臓が冷えるとホルモンバランスが乱れやすくなるため、女性にとってはNG。そして「胃腸(内臓)の冷え」は、夏の健康の大敵なのです。

■日本古来のパワーフード、おみそ汁を飲みましょう

冷たいものを摂り過ぎると、内臓が冷え、身体がだるくなり、そうするとリフレッシュしたくてまた冷たいものを摂ってしまう。そんな悪循環は、自律神経の乱れにつながります。ですから、水分を摂るなら常温ないし温かいものを。そしてせっかく温かいものを摂るならば、おすすめなのが日本古来のパワーフード、おみそ汁です。

その理由は、何といっても内臓を温めてくれること。実は味噌をはじめとする発酵食品には体を温めるものが多く、特に、物理的に温かいおみそ汁は温熱効果が高いのです。もちろん栄養も豊富ですから、夏バテの防止になります。

■たくさん作って2食目、3食目は“味変”で。賢くおいしく手抜きする

おみそ汁の具材はお好きなものでOKです。でももし迷ったら、季節の野菜を選びましょう。ナス、トマト、オクラなど。おいしい野菜がスーパーや八百屋さんに並ぶ時季ですよね。夏野菜の中には体を冷やすものも多いですが、おみそ汁の具材として食べると体を冷やしにくくなります。レタスもサラダで食べるよりも、夏こそおみそ汁の具にしてみてください。さっと火を通すことでシャキシャキ感はそのまま、“サラダ風のおみそ汁”ですね。

毎食作るのが面倒と感じるときは、2、3食まとめて作っておけばラクチンです。最初はそのまま温かいおみそ汁としていただきます。夏場はとても傷みやすいので、余った分は鍋ごと冷蔵庫へ。2食目はキュウリ、トマト、しそ、みょうがなど、生で食べられる野菜を追加してサラダ風。3食目は食べるラー油や柚子胡椒などスパイスでと、“味変することで飽きずにおいしく食べられます。

■食事とお風呂の合わせ技でさらに内臓をポカポカに

最後にオマケ。内臓をしっかり温めるという点では、食事にプラス、夏こそお風呂に入りましょう。41~42度くらいのお湯に浸かって体温をぐっとあげると、入浴後、体内は温かいまま、放射熱で体表は涼しく感じられて一石二鳥です。長い夏休みは、お子さんと週2回くらい銭湯通いすれば、それだけで楽しみが増えますよね。

近頃ではコンビニでも、自販機でも「常温」のミネラルウォーターが用意されているところが増えてきました。「のどが渇いたな」そんなときは、迷わず常温か温かいものを。日常から意識して、夏を元気に乗り切りましょう。

取材・執筆:オフラボSTAFF 監修:柏原ゆきよ

柏原ゆきよ

柏原ゆきよYukiyo Kashiwabara

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管理栄養士 / 一般社団法人日本健康食育協会代表理事
4万人以上の食サポートの経験から、日本人の体質とライフスタイルに着目し、お米(雑穀米)を主軸に「しっかり食べて太らないカラダづくり」を目指す独自のメソッドを確立。認定資格講座「健康食育マスター講座」を主宰し、食育分野の人材育成に注力。著書『食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)他多数。

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