現代女性の五感ストレス第1位は「視覚」!まずは疲れ目について学ぼう

全国7万人の女性に対して行っているオフラボの「ココロの体力測定」から五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)に注目したところ、なんと上位10項目を「視覚ストレス」が独占! 現代人の目はとにかく疲れているようですが、そもそも疲れ目とはどんな状態? そのメカニズムを、ロート製薬株式会社の植松由起さんにうかがいました。

■現代女性の視覚ストレスは「スマホ」「夜型生活」「乾き目」

「ついスマホを見てしまう」「目が常に乾いている」「夜明るい部屋にいる」。これを読んで、「思い当たるものばかり」そんな方はご注意を。これらはオフラボが行った五感ストレス調査の「視覚ストレス」に関する項目。高ストレス女性が答えた上位10項目が、なんと「視覚」にまつわるものばかりだったのです。

【五感ストレス上位10項目】
●ついスマホを見てしまう・・・・58.6%
●星など遠くを見る機会が少ない・55.2%
●森林など緑を見る機会が少ない・52.1%
●テレビを見ながらのスマホ操作・50.8%
●目が常に乾いている・・・・・・43.9%
●ノートPCを使っている・・・・40.8%
●一日5時間以上PC作業する・・34.1%
●夜型の生活・・・・・・・・・・28.4%
●夜明るい部屋にいる・・・・・・26.2%
●瞬きの回数が少ない・・・・・・25.3%

【関連記事】スマホ、夜型生活……現代の高ストレス女性の“五感”ストレス上位10項目を「視覚」が独占

■「疲れ目」と「眼精疲労」は違うもの?

どちらも日常的に何気なく使っている言葉ですが、同じ意味だと思っていませんか? 混同されがちですが、実は別もの。「目がショボショボする」「目が乾く」「充血する」といった目の症状は「疲れ目」です。目を閉じて休める、あるいは目薬をさすなどが回復の助けになりますが、不快感を放置していると、頭痛が起きたり肩こりになったり……。疲れ目が原因のひとつとなって、全身症状を併発している状態が「眼精疲労」なのです。

■疲れ目、実は“筋肉疲労”だった!

先ほどご紹介した調査結果のように、私たちの日常生活ではデジタルデバイスがなくてはならない存在になっています。そして、特にここ10年程で使用率が上がっているのがスマホ。よく知られているところではブルーライトの影響がありますが、小さな画面に集中するために、ぐっと目を近づけるその距離が大問題! ピントを合わせるために、想像以上に目はがんばっています。これがいわゆる、「ピント調節機能」です。

下の図で説明しましょう。目の内部でレンズの役割を果たしている「水晶体」は、遠くを見る時には薄くなり、近くを見る時には膨らみ、厚さを変えて遠近にピントを合わせています。その調節を担っているのが、水晶体の周囲をぐるりと囲む「毛様体筋」という筋肉です。遠くを見る時は、ぼんやり眺めているような状態なので、毛様体筋はリラックス。近くのものを見る時は、毛様体筋は緊張します。スマホ使用中はずっと張り詰めた状態が続いているわけで、これこそが「疲れ目」のメカニズム。その「ショボショボ」も「乾き」も、目の筋肉疲労により起こっているのです。

本来、水晶体はグミのように弾力がありますが、加齢により硬くなっていくことがわかっています。毛様体筋がリラックスしても、緊張しても、水晶体は厚みを変えることが困難に。先ほどお話ししたように毛様体筋は筋肉ですから、毛様体筋自体も老化して機能が衰えます。老化で目が見えづらくなる「老眼」は、これが理由です。

「筋肉ならば、鍛えればいいのでは?」そう思うかもしれませんが、毛様体筋は眼球内に存在するため直接刺激することができません。一般的に目のトレーニングとして紹介されているのは、眼球自体を支えている「外眼筋」という筋肉。ツボ押しなどは、もちろん疲れ目を軽減するのに役立ちます。リフレッシュ方法については、また別の機会にご紹介しましょう。

取材・執筆:オフラボSTAFF 監修:植松由起

植松由起

ロート製薬株式会社 東京学術チームリーダー
薬剤師。化粧品から医薬品まで幅広い知識を持ち、ロート製薬の研究成果を、わかりやすい言葉やアプローチで売り場へとつなぐエキスパート。美容と健康をトータルで提案できるドラッグストア販売員教育などを行っている。数あるアイテムの中でも眼に関する知識が豊富で、雑誌やお客様向けセミナーなどでも幅広く活躍。

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