オフラボでは、「休み方」の内容や質に注目。高ストレス者と低ストレス者の休日の過ごし方の違いなどから、ストレスオフのヒントを研究しています。「休息効果ラボ」は、仕事中や家事・育児、勉強の合間の10分間の休憩でできる、効果的なストレスオフを探るためのWINフロンティア株式会社との実験プロジェクト。第3回は、愛情ホルモン・オキシトシンの分泌にも有効な「親しい人に手紙を書く」です。
■ちょっとした非日常「親しい人に、改まって手紙を書く」
最後に手紙を書いたのがいつだったか、覚えていますか? SNSのメッセージやメールではなく、“手書き”の手紙です。「そういえば年賀状以外、もう何年も書いてないな」、デジタルネイティブな10代・20代は「手紙って書いたことがないかも」という人もいるかもしれません。「筆まめ」という言葉も死語になりつつある現代ですが、だからこそ、このちょっとした非日常の行為がストレスオフになるのではないだろうか? 相手を思いながら一言ひと言したためる行為がストレスオフになるのでは? そんな着想から、休息効果ラボでは「親しい人に手紙を書く」実験を行いました。
■仕事の合間の脳疲れ「ストレス性疲労」の回復におすすめ
実験では7人の女性が心拍センサを装着し、140分の座学講義を受講。10分間の休憩中に、親しい人に向けた手紙を書いてもらいました。手紙を書いている間、自律神経はリラックス神経の副交感神が優位に働きましたが、自律神経の総合力であるトータルパワーは低下。手紙を書いた後の講義後半では自律神経のバランスは講義前半と変わらなかったものの、トータルパワーは向上し、「親しい人に手紙を書く」ことによる疲労の回復が示唆されました。
手紙による交感神経機能及びトータルパワーの変化
また手紙を書くには、スマホでメッセージする時のようにソファやベッドでというわけにはいきませんよね。机やテーブルに向かい、椅子に座ってとなると、自然と姿勢もよくなるでしょう。
姿勢は重力に逆らって働く「抗重力筋」によって維持されています。ストレスオフ物質である
セロトニンは、抗重力筋を活性。セロトニンが減ると抗重力筋に緊張感がなくなって正しい姿勢を保てなくなり、肩や腰の痛みなどのストレスに。逆に言えば、姿勢を正す=ストレスオフ行動にもなるのです。
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「休息効果実験」試験期間:2018年10月25日 被験者数:10名(内計測可能データ7人)全て女性、20・30代 目的:親しい人に手紙を書くことによる休息効果を自律神経機能の観点から検証 使用センサ:心拍センサ My Beat 実験場所:株式会社メディプラス2F 比較方法:80分の座学講義(前半)、10分の休憩、60分の座学講義(後半)で計測 集計・分析:(株)メディプラス研究所、WINフロンティア(株)
執筆・監修:オフラボSTAFF