都道府県では「沖縄」「山梨」「奈良」がデジタル依存上位
デジタルストレス女性は 子育て・教育ストレスも高い傾向
オフラボが全国14万人に行っている「ココロの体力測定」の結果(女性7万人)より、デジタルツールの 使用時間がストレスレベルに及ぼす影響について分析したところ、インターネット使用では「3時間」以上、 SNS使用では「30分」以上を境に、高ストレス女性の比率が大きく高まる傾向が浮かび上がりました。
ストレスレベル別 1日の「ネット使用時間」の比較
■ インターネット使用は「3~4時間程度」で高ストレス者比率が上昇
「1日のインターネットの使用時間」を、厚生労働省「ストレスチェック」の基準による高ストレス者(77点以上)と低ストレス者(39点以下)で比較しました。両者共に「1~2時間程度」が最も多く、割合も2.5割程度と変わりませんでしたが、それ以上の時間に注目です。低ストレス者と高ストレス者の割合が逆転し、「3~4時間程度」の1.7倍以降は、高ストレス者の比率が高まる傾向でした。
■ SNS使用による高ストレス者比率上昇の原因は、コミュニケーション疲れ?
「1日のSNSの使用時間」を比較しました。「21~30分程度」で高ストレス者と低ストレス者の割合が逆転しますが、大きく差が開くのが「31~59分程度」の1.8倍。「4~5時間程度」では、高ストレス者の比率は5倍以上にもなります。
インターネットの使用時間と比べて、SNSの使用時間でのストレスレベルの差が大きい理由としては、ツールの特性として、コミュニケーション疲れが影響しているのかもしれません。
ストレスレベル別 1日の「SNS使用時間」の比較
■ 20代前半女性のSNS使用、「6時間以上」も3%程度存在
次に、高ストレス者と低ストレス者の境といえる「インターネット3時間」「SNS30分」以上使用を、年代別でみてみました。共に最も使用率が高かったのは「20~24歳」で、SNSに関しては、実に5割以上という結果に。時間ごとの結果では、最も多かったのが「1~2時間程度」で18.2%、「6時間以上」も3.2%おり、上記グラフの高ストレス女性全体と比較しても使用時間が長い傾向でした。
年齢別 1日の「ネット使用3時間以上」「SNS使用時間30分以上」
■ 一番デジタル依存度が高かったのは「沖縄県」。上位5県女性のストレスは「子育て」環境
オフラボでは毎年4月に女性の「ストレスオフ県ランキング」を発表。地域性や県民性とストレスの関係について調査・分析をしています。
【関連記事】ストレスオフ県ランキング2018発表! 第1位は「愛媛県」が2連覇
「インターネット使用3時間以上」かつ「SNS使用30分以上」と、デジタル依存度の高い都道府県をランキングにしたところ、上位5県は「沖縄」「山梨」「奈良」「宮城」「滋賀」という結果に。ストレスオフ県ランキングでも、8位の滋賀を除いて、沖縄42位、山梨33位、奈良32位、宮城31位とほとんどの県が下位だったことから、この5県に共通するストレス項目に注目しました。
デジタル依存度上位5県と全国平均を比較し、満足度が低かった10項目(ストレス項目)を見ると、その多くが「子育て」に関するもので、特に「教育」「コミュニティ形成」のストレスが高い傾向に。とにかく時間が足りず、不安も多い子育てママ。都市部でない場合は、交通の面などでなかなかコミュニティに参加できなかったり、あるいは相談できる場所自体が少なかったりと、情報収集や悩み相談で長時間ネットやSNSを活用する傾向にあり、その行動がかえってストレスになってしまっている可能性が考えられます。
1日の「ネット使用3時間以上」かつ「SNS使用30分以上」上位5県 / ストレス傾向
■ 参考:デジタル依存度 都道府県ランキング2018(全国平均:7.08%)
都道府県別 1日の「ネット使用3時間以上」かつ「SNS使用30分以上」 比率
【調査概要】
タイトル:ココロの体力測定2018
方法:インターネット調査
調査期間:SCR調査 2018年3月7日~3月17日
(SCR調査)
対象:全国、20~69歳、14万人(男女各7万人)
項目:15問
分析データについて:厚生労働省の「ストレスチェック制度の健康状態項目」を基に独自加工して、点数化
集計データについて:集計したデータを、県・年齢を実際の人口でウエイト修正を行い活用
(本調査)
期間:2018年4月7日~20日
サンプル数:1800人
今回抽出対象者|
(2018年SCR調査より)
全国、20~69歳、すべて女性
①ネット3時間以上行動者:12418人
②SNSコミュニケーション30分以上行動者:15758人
①かつ②:4956 名