ヨガインストラクターは「ストレスオフな仕事」。そのヒミツが意識調査で見えてきた

2017年、全国7万人の女性に行った「ココロの体力測定」の結果、ストレスオフな職業の第7位に「ヨガインストラクター」がランクインしました。ヨガ自体、今や医療の一部として研究が進むほど健康への効果に期待が寄せられていますが、ヨガインストラクターの生活習慣にもヒミツがあるのでは? そこでオフラボは、詳細な調査を実施。彼女たちのストレスオフ・ライフがあきらかになりました。

■ヨガインストラクターの低ストレス者割合は一般女性の2倍以上!

共同調査したのは、ヨガインストラクターを多数擁するホットヨガスタジオ「LAVA」。厚生労働省の「ストレスチェック」をベースに、多角的な項目から、ストレスオフな職業トップ10入りした理由探りました。なお、調査対象の1,048名中1,016名が女性。また20代、30代が大半を占めるため、一般女性の20~39歳(24,162名)と比較しています。

まず、ストレスレベル割合を見てみましょう。ストレスチェックで高ストレス者とされる「77点以上」と、低ストレス者とされる「39点以下」で比較しました。ヨガインストラクターの低ストレス者割合は、一般女性が5.3%だったのに対し、12.3%と実に2倍以上! 高ストレス者の割合は11.7%と、一般女性の22.8%と比べ約半数で、低ストレス者が多く、高ストレス者が少ないという理想的な傾向です。

一般女性(20〜39歳)とヨガインストラクターのストレスレベル比較

■心身は睡眠でしっかり休めて、朝はお気に入りの音楽で目覚める

調査ではさまざまな生活習慣や過ごし方を複数回答できいています。その中から、ヨガインストラクターの多くが心がけており、また一般女性と割合の開きの大きかったものをピックアップしました。まずは、ストレスオフな生活習慣でもっとも重要な「睡眠」から。調査したヨガインストラクターの実に9割がYESと答えたのが「休日の睡眠への満足」です。「リラックス法は寝る」「週に1日はしっかり寝る」と併せて見ても、心身を睡眠で休めることを重視していることがうかがえます。

朝の目覚めも「熟眠した感じがある」「朝はとても気分がいい」と、快適に起きられている傾向。さらに目覚め方では「音楽を流して起きる」が56%と、一般女性の12.5%の5倍近くに。音楽も含まれるであろう「アラームなどの音で起きる」は、それぞれ77%、63.7%と大きな差は見られなかったことから、けたたましい電子音よりも、好きな音楽で起きる方がストレスオフできる可能性があります。

ヨガインストラクターの睡眠習慣

■よく噛み、時には活動を休めて胃腸をストレスオフ

睡眠同様、「休日」の食事への満足度の高いヨガインストラクター。「野菜やフルーツをよく食べる」「納豆、ヨーグルトなど発酵食品をよく食べる」「油ものは控える」といった、一般的に健康的であるといわれる食事内容も一般女性よりも高い意識が見られましたが、注目は「よく噛んで食べる」66%、あるいは「時々ファスティングする」38%など“食べ方”です。「噛む」は食べ物をきちんと咀嚼することで胃腸への負担をやわらげ、またファスティングにも胃腸を休める効果が期待でき、言わばこれらは胃腸のストレスオフ行動です。また噛む=リズム運動であり、ストレスオフ物質であるセロトニン活性にもつながります。

ヨガインストラクターの食事習慣

■自分の癒やし方を知っているヨガインストラクター

日本人は休み不足・休み下手であると言われますが、睡眠も、食事の時間も、ヨガインストラクターは休日の満足度が高い傾向にありました。そしてほかにも「自分の癒やし方を知っている」90%、「セルフケアの時間に満足」85%など、心身の休ませる行動が上手にできている様子がうかがえます。「パートナーとの触れ合い」も大切にしている傾向ですが、親しい人との触れ合いやおしゃべりによって分泌が促される愛情ホルモンのオキシトシンは、セロトニンと並ぶストレスオフ物質です。

ヨガインストラクターの休み方習慣

■国内外で研究が進むヨガのストレスオフ効果

リラックスやリフレッシュ目的でヨガを楽しんでいる人が多いでしょう。しかし、今注目を集めているのは治療の効果です。投薬を中心とした近代西洋医学と組み合わせて行う「統合医療(代替療法)」の一つに厚生労働省も認定しており、アメリカをはじめとする欧米では、多くの研究者たちにより長い間研究が行われています。ストレスに対するよい影響も報告されており、科学的に見てもヨガのストレスオフ効果が実証されているのです。

もちろん、ヨガは誰しもに万能というわけではありません。持病や疾患を抱えている、あるいは日々の体調の変化によっては控える・強度を調整して無理をしないなども必要です。またヨガにはたくさんの種類があるため、自分に合ったスタイルのヨガを行うことも大切です。ヨガインストラクターの生活習慣も参考にしながら、ストレスオフにヨガを楽しみましょう。

【関連記事】ストレスオフな職業“ヨガインストラクター”の実態をホットヨガ最大手「LAVA」と調査

執筆・監修:オフラボSTAFF

オフラボSTAFF

オフラボ(ストレスオフラボ)は、“ココロの体力”が低下している日本人の心の状態を可視化し、脳科学者などの専門家や他社企業と共同で、エビデンスに基づいてストレスと体や肌を調査・研究するプロジェクトです。ストレスオフに役立つさまざまな情報をウェブサイトで発信しています。

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