オフラボの「ココロの体力測定」調査で、全国の男女各7万人に「疲れ目・ドライアイ」についてたずねたところ、症状を感じている人は男性50.8%、女性62.9%と、なぜか女性の方が割合が多い! デジタル利用やコンタクトレンズ着用などに個人差はあれど、男女差なんてなさそうなのに、なぜ? その謎を探ってみると、そこには女性ならではのなるほどな理由がありました。
■女性の疲れ目・ドライアイ症状割合は50代がピーク
オフラボの疲れ目・ドライアイ調査を年代別で見ると、20~50代までは、年齢が上がるごとに疲れ目・ドライアイ割合が増加しています。60代ではぐっと減少しますが、50代までは働き盛りで目を酷使しがちであること。そして重なるように、30代以降徐々に加齢による衰えがあらわれてくることが大きな理由だと考えられます。
年代別 疲れ目・ドライアイ症状者(女性)
■加齢によるピント調節筋の衰え、エストロゲンの減少などが原因に
年齢を重ねるごとに、目が疲れやすくなる。これはピント調節筋と呼ばれる「毛様体筋」が加齢で衰えたり、水晶体の弾力性が低下することで、ピントが合わせづらくなるためです。いわゆる「老眼」であり、男女差はありません。一方ドライアイは、女性ホルモンが関係している可能性があります。
排卵前の卵胞期に分泌されるエストロゲンは、肌や粘膜のうるおいに関連している女性ホルモンです。加齢により卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が減少すると、全身に乾燥症状が起こる場合があります。口の中が乾くドライマウスやドライスキン(肌乾燥)、そして眼球の表面が乾くドライアイも現れやすくなるのです。
■目ヂカラ命!の人はご注意を。インサイドライナーがドライアイを引き起こす
女性の疲れ目・ドライアイを悪化させるのは、加齢だけではありません。実はもっと身近なところに。多くの人が毎日しているであろう、アイメイクです。
まぶた内側の粘膜にアイラインを引くインサイドライナーは目を大きく見せるのに効果的として、ビューティ誌などでも度々取り上げられるテクニックです。でもその粘膜、実は目の健康に欠かせない大切な場所。涙腺から分泌される水分と、それを眼球に留めるムチン。この2層を守るために脂を分泌する「マイボーム腺」という小さな穴が連なっており、そこを化粧品の脂分が塞いでしまうと、眼球の表面のうるおいが蒸発し、ドライアイを招いてしまいます。
内科や皮膚科と比べ、眼科の受診率は低いと聞きます。また体の疲労回復に定期的にマッサージや整体に行っていても、目の疲れとなると「あまり気にしていない」という人も多いのではないでしょうか。目を酷使している自覚のある人は、心身の疲労回復に睡眠が必要なように、しっかり目を休める時間を作りましょう。ばっちりアイメイク派の人は、まずはメイク方法やクレンジングを見直すことからですね。
疲れ目もドライアイも放っておくと、つらい全身症状を招く眼精疲労に深刻化し、体の不調は心の不調をも引き起こします。そもそも女性は自律神経のトータルパワーが男性より低く、心身のバランスを崩しやすいので要注意です。「女性は生きにくい」と言われる世の中だからこそ。目のストレスオフで、これまで霞んで見えていなかった新しい世界が見えてくるかもしれませんよ。
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取材・執筆:オフラボSTAFF 監修:植松由起