突然ですが、最後に思いっきり泣いたのはいつでしょうか。無意識のうちに感情にフタをしてしまったり、人の目を気にしたりで年齢を重ねるごとに“思いっきり”泣くことは少なくなりますが、実は「感動の涙」は、大人が授かった素晴らしいギフトなのです。
■女性は「月1回以上泣く」が7割、男性は「1回も泣かない」が半数以上
ストレス予防に日常的に行いたいものから、受けてしまったストレスを楽しく発散する方法まで。ストレスオフにはさまざまな方法がありますが、五感や感情を利用するのもアイデアのひとつです。中でも“泣くこと”は、近年「涙活」としても話題を集めるユニークなストレスオフの方法。実際、皆さんどのくらい泣いているのでしょうか?
「ココロの体力測定2018」で1か月に泣く回数を見てみると、女性は7割以上が「月平均2回以上」泣いており、なんと「月平均4回以上」泣いている人が約2割も。男性はというと「まったく泣かない」が52.5%で半数以上を占め、男女で大きく結果がわかれました。
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男女別 泣く回数平均/月
さらに厚生労働省ストレスチェック基準による高ストレス者(77点以上)~低ストレス者(39点以下)それぞれの泣く回数の平均を見ると、男女とも低ストレスなほど泣く回数が多くなる傾向にあり、泣くことがストレスオフにつながる可能性が認められました。
男女・ストレスレベル別 泣く回数平均/月
■ストレスオフには「共感の涙」を
涙することがストレスオフに有効とは言っても、ただやみくもに泣けばいいわけではありません。キーワードは“共感”です。
脳生理学者の有田秀穂先生によると、スポーツの名場面に胸を熱くし、映画やドラマに感動して流す涙は他者に対する共感がベースになっており、いわゆる“共感脳”と呼ばれる脳の内側前頭前野が興奮することで涙が流れます。号泣というとリラックスとはほど遠い感じがしますよね? そう、ここがポイント。号泣という激しい行動を示しながらも副交感神経が優位になる(リラックスする)のが共感の涙、感動の涙の特徴なのです。
■感動して泣いた後に得られる清々しさは大人の特権
共感とは、人生の中で自己に無意識に蓄積した記憶が、他者の行動や気持ちと共振すること。いい方を変えれば、「思いやり」であるとも言えます。そして共感脳は、長い時間をかけて、さまざまな経験を重ねて発達します。だから他者への共感で涙が流れるのは、成熟した大人の証。また女性に聞いた「泣くシチュエーション」では、第2位が「笑い過ぎた時」(!)という結果も。泣くことと同じ感情軸では、「笑う」も素晴らしいストレスオフです。ぜひ、映画や小説選びのご参考に。
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執筆・監修:ストレスオフラボ